白内障手術のおはなし
これが眼内レンズです。(KS-Ni スタージャパン社製直径6mm) | これがインジェクター(挿入器)です。 眼内レンズが中にセットされています。 |
創口よりインジェクターの先を眼内に入れて、中でこのように開きます。眼内レンズが外眼部(結膜、睫毛等)に触れないため、細菌感染の確率が下がり、より安全に手術が行えます。 |
単焦点眼内レンズを用いた白内障手術は健康保険の適応が受けられます。
多焦点眼内レンズを用いた手術は選定療養となります。
「単焦点レンズ」の手術費用は、手術料、眼内レンズ代、眼内レンズを入れるときに用いるお薬代、抗生物質の点滴代など合わせて約15万円になります。
すべてが健康保険の対象になり、それぞれの負担割合分が自己負担になります。たとえば3割負担の人は4万5000円、老人で1割負担の人は1万5000円になります。(日帰りの場合)
通院で手術をしても、入院で手術をしても手術成績に変わりはありません。遠方で通院困難な方以外は、外来手術をお勧めします。
生命保険、簡易保険で疾病特約に入られている方は、疾病給付金が20倍保証となり、給付の対象となります。(保険会社に御確認ください)
「多焦点レンズ」を希望される場合は選定療養※となり、手術料は健康保険の対象となる単焦点レンズの手術料に多焦点レンズの費用が追加されます。レンズにより追加料金が異なります。
レンズの種類 | レンズ名 | メーカー | 価格(税込み) |
拡張焦点深度レンズ | シンフォニー | AMOジャパン | 11,5500円 |
拡張焦点深度レンズ | シンフォニー トーリック | AMOジャパン | 14,3000円 |
3焦点レンズ | PanOptix | 日本アルコン | 214,500円 |
3焦点レンズ | PanOptix トーリック | 日本アルコン | 247,500円 |
連続焦点レンズ | シナジー | AMOジャパン | 214,500円 |
連続焦点レンズ | シナジー トーリック | AMOジャパン | 247,500円 |
選定療養とは社会保険に加入している患者さんが、追加料金を負担することで保険適応外の治療を、保険適応の治療と併せて受けることができる医療サービスです。
比較的安全に手術ができる白内障ですが、以下の問題点があります。
麻酔アレルギー ・・・ 歯の治療で麻酔を用い、気分の悪くなった人は要注意
です。
術中の出血 ・・・・・・ 狭心症、脳梗塞の治療で、血のさらさらになるお薬を用
いられている方は、医師と相談の必要があります。
術後感染症 ・・・・・ 手術後にバイ菌が入り炎症を起こす事があります。
手術部位を清潔にし、手術中、手術後に抗生物質を投与
し予防します。
後発白内障 ・・・・・ 手術後に、残した水晶体の殻が濁る病気です。
レーザー光線での治療が確立しています。
100%安全な手術はまずありません。手術のリスクは患者さんの年齢、全身疾患の有無(高血圧、心臓病、糖尿病など)、白内障の進行ぐあい、白内障以外の目の病気の有無(緑内障、ぶどう膜炎など)で異なります。
主治医と十分に話をし、説明を聞くことが大事だと思います。